みだれ髪、どこかわざとらしくて
いつもは私から連絡していたのに、4日ぶりのLINEは彼が送ってきた。
朝、目が覚めると
「おはよ」
の何気ない一文。それに違和感があって、枕に再び顔を埋める。
体がどこか気怠くて、すぐにでも瞼が落ちてきそうな感じを繰り返すと、時計は9時をまわっていた。
ベッドの上に投げ出したスマートフォンがまた震えると、何も知らせていない彼から、猫が首を傾げているスタンプが送られていた。
隣の部屋の母もついさっき布団から這い出したようだ。長い髪を束ねたりまとめたりもせず、洗面台で日課の起きてすぐの歯磨きに勤しんでいる。
「隣、借りるよ」
そう言って、私は顔を洗い始めた。排水口を見るように顔を下へ向けると表情を悟られないような気がして、心が楽になる。
急死した父の葬儀から一夜明けた。
私と母はどこか何気ない今朝を演じている。そんな気がして、すごく嫌な感じがした。
「奇をてらう」が生業の人たち
このあいだあるドラマを見ていて、
そしたらそこにあるアーティストが出ていました。
それは去年ぐらいから徐々に認知度が増えてきて、いまや二階堂ふみに次ぐサブカルの権化のような女性だったのですが。話の終盤くらいにその女性はそのドラマの脇役的男性を路地に連れ込み、彼の手を取っては自分のブラトップの中にねじ込むのです。
ほう(全然胸がないな)、という感じに私はなりました。もちろん、代わりの脱ぎ役がいるわけではなく正真正銘その女性が揉みしだかせているのです。
その女性のライブを私は今年の春頃に東北地方で開かれたフェスで見ていました。元々パフォーマンスに定評のある方なので、私もいろいろと驚かされました。3メートルぐらいある脚立に登ったり、フェスのステージセットに登ったり。わんぱくな少女時代を想像させます。
そして、彼女お得意の透明なボールの中に入って観客の中にダイブする、というパフォーマンス。
Suchmos "MINT" (Official Music Video)
正直言うとその前までに彼女が見せたあれやこれやで、私はかなり食傷気味だったのです。
彼女の出て来る前が、夕暮れのなかで響き渡るSuchmosだったのですごく爽やかな気分でした。そこからの高低差もあったのでしょう。代わってみているのが、曲芸のような光景。ステージ前にいた私は自分の立ち位置と真逆に心がスーッと遠くに引いてしまい、そこにいる人々を観察することばかりが頭を占めてしまったのです。
必至にボールにしがみつこうとする人、遠くに押しやろうとする人、離れたところで転がるさまを楽しんでいる人、そんなところばかりが目に入るのです。
そんな風に観察眼になる前の私だって脚立に乗って登場してきたときは、なんとも言えないハラハラ感に心を掴まれていたのは事実。
事実なんだけど。彼女が見せるこのエンターテイメントの主軸はどこにあるのだろうと頭によぎる。なんだか、私たちの中に芽生える「ひょっとしたらヤバイことになるんじゃないか」、という心境が拠り所なんだという気持ちになりました。
言ってしまえば、ステージに立っている人は「芸のないサーカス」のようなものです。
「奇をてらう」、それは確かに有効な手段です。それを自身のアイコンに使ったり、それだけが価値となってしまっては、炎上芸人と変わりません。
ねえ、深夜ドラマに出ているあなた。いつも頭の切れそうなことを言っているけど、あなたの中には本当はどんな考えがあるの、戦略があるの。ねえ。
脚が綺麗
「ONE PIECE」を読まない人間
私がそうだ。「ONE PIECE」を読まない人間。
その人々の地位は相当に低い。
ONE PIECE magazine Vol.1 (集英社ムック)
- 作者: 尾田栄一郎
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「ONE PIECE」を読まないというのは、「BLEACH」を読まない人間とは違う。「NARUTO」を読まない人間とも違う。というか、「BLEACH」も「NARUTO」も読まなくたってなんとなくわかるのだ。それはどちらも後発で、学校帰りに目に触れる夕方のアニメ枠だったからだ。おそらく。
でも、「ONE PIECE」は違う。始まったのがもっと古いのだ。なんなら、いままさに20週年を迎えているという。アニメ枠も日曜朝だ。寝てたかどっか行ってたよ。
ついでにいうと、一人っ子の私は「ドラゴンボール」も読まない。
世の中にはかなりの数いるのだ、それらを読む20代の人間が。女友達にも多い、ざっと体感80%ぐらい。
それはジャニーズの曲知らないとかそういう話じゃない。カラオケに行って関ジャニの曲入れてる友達見て、「あ~私、関ジャニはあまり聞かないんだよね~」と心のなかで思っていても、別に苦しくはない。友達だってそんなに変な目で見てきたりしない。
そう、それは「野球のルールを知らないんだ~」という女子とも違う。「そうだよね、仕方ないよね。私が異端だから」と思うし。
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亀梨和也が野球に出会った、という「運命」
6月某日、テレビ画面の向こう。中東の地で芝生の上、ボールを蹴飛ばす男たち。それはサッカー日本代表だ。
カメラは一通りの注目選手を写してインタビューカットに切り替わる。日に焼けた、20代男が険しい顔で語った。
「そうですね。○○くんとうまく連携をとれたらなーっと…」
ん、違和感。
私はサッカー文化というものに浸かったことがない。ないのだけれども、なんとなくわかる。あの場所には不思議と「○○くん」と呼び合う文化がある。
「キング」と言われるほど畏れ多い存在じゃなければ、先輩後輩でもそうだ。
でも、それって普通の社会に照らしわせると、結構異様に見えるわけ。
しかし、日本にはそれが異様に見えない集団がいる。
それはご想像どおり、「ジャニーズ事務所」なわけです。
火曜22時という怪獣・モスラ(Interlude)
私はリアルタイムでドラマを見られることが少ない。人より遅く会社に行ってるのだから、人より遅く帰るのは仕方のないこと。そんな自己管理とやかく言わないし言われたくない。
愚痴ではないです。
ひとまず、毎週火曜日の22時は録画予約がしてあって、だいたい週末にバーっと見るんです。『カルテット』のときも『逃げ恥』もそうだったんですけど。きょうは運がいいことに(?)、雨が降ったので、その録画を消費するのに最適でしたね。
今回は『あなたのことはそれほど』
続きを読む「良いものがあったらパクれ」
「(他のところで)良いものがあったらパクれ」
これは私の上司の一時期の口癖で。私としてもそれは正しいなと思うのである。
というのを引用したいのは、ドラマ「人は見た目が100パーセント」(フジテレビ)を見たから。
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