あなたを照らす『ムーンライト』はありますか?
『ムーンライト』を見たら猛烈に寂しくなった。
大雑把に言えば、孤独の物語である。主人公「シャロン」は黒人のゲイ、それでいじめられる。公式サイトの作品紹介では、
タイトルである“ムーンライト(月光)”とは、暗闇の中で輝く光、自分が見せたくない光り輝くものを暗示している。誰もが一度は人生のどこかのタイミングで同じようにもがいたことがあるだろう。
と語られる。彼のその感情、鼓動が「ムーンライト」だと。
でも、僕は違うと感じました。
僕が感じたのは、あなたを照らす「ムーンライト」はありますか?ということです。どこか「恋人」とも違う。「希望」というのも小っ恥ずかしく、もっと遠くで居て、心は近い。そんな存在を家族以外に持っている人はこの日本にどれくらい居るのだろうか。
教室の席についたとき一瞬感じるあの気持ち。大学からの帰り道に感じるあの気持ち。コンビニでご飯を選んでいるときのあの気持ち。一人の家に帰ってきたときのあの気持ち。
そういう気持ちをそっと掬ってくれる人がいるのかと考える。そうまるで、月の光のように、暗闇を照らすぼんやりとした明かりのような。
誰かが言っていた、
映画は孤独な人のためにあるものだ
と。
昨日はそんな、ひとりの夜でした。
中盤、一瞬だけブルーな衝動を感じた